株式会社メスコム

工場設備の故障原因が分からないときの調査方法|PLC・制御回路の確認ポイント

お問い合わせはこちら

工場設備の故障原因が分からないときの調査方法|PLC・制御回路の確認ポイント

工場設備の故障原因が分からないときの調査方法|PLC・制御回路の確認ポイント

2026/10/26

工場設備の故障原因が分からないときの調査方法

工場設備が突然停止したり、操作しても動作しなくなったりした際、故障原因がすぐに分からないことがあります。

特にPLC(シーケンサ)を使用した生産設備では、モーターやセンサーなどの機器自体に問題がなくても、制御信号や運転条件によって設備が動作しない場合があります。

こうしたトラブルでは、故障したと思われる部品を交換する前に、どの段階で正常な動作が成立しなくなっているのかを確認することが重要です。

本記事では、PLCや制御回路を使用した工場設備について、故障原因を調査する際の基本的な考え方を解説します。

 

設備が動かない原因は機器の故障だけではない

例えば、操作ボタンを押してもモーターが起動しない場合、原因として次のような可能性が考えられます。

  • 操作スイッチからの信号がPLCに入力されていない
  • PLC内部で起動条件が成立していない
  • 安全回路やインターロックが作動している
  • PLCから起動指令が出力されていない
  • インバーターやモーター側で異常が発生している

通信異常によって運転指令が伝達されていない

このように、同じ「モーターが起動しない」という現象でも、原因となる箇所はさまざまです。

モーターやインバーターを交換しても、制御条件が成立していなければ設備は正常に動作しません。

そのため、現象から故障箇所を推測するだけでなく、実際の信号状態や機器の診断情報を確認する必要があります。

 

PLCの入出力信号を確認する

PLCを使用した設備では、入力信号と出力信号の状態を確認することが、原因調査の基本となります。

例えば、操作スイッチを押した際に、PLCの対応する入力信号が変化しているかを確認します。

入力が正常であれば、次に制御プログラム内で起動条件が成立しているかを調査します。

起動条件が成立しているにもかかわらず出力指令が出ない場合には、プログラム上の他の条件や制御状態を確認する必要があります。

一方、PLCの出力指令が正常であっても、実際の機器が動作しない場合には、出力回路、配線、駆動装置などを調査します。

ただし、PLC内部の信号状態と実際の端子電圧や機器の状態は必ずしも一致しません。必要に応じて、双方の整合性を確認することが重要です。

 

インターロック条件の確認

工場設備では、安全性の確保や機器の保護、誤動作の防止を目的として、さまざまなインターロックが設けられています。

例えば、次のような条件です。

  • 他の機器が所定の位置にあること
  • 必要な圧力や流量が確保されていること
  • 駆動装置に異常が発生していないこと
  • 設備が正しい運転モードになっていること
  • 安全関連の運転許可条件が成立していること

これらの条件が一つでも成立していなければ、設備が起動しない場合があります。

そのため、操作指令が正常に入力されていても、設備が動かない場合にはインターロック条件の確認が必要です。

なお、安全回路やインターロックを無効化して設備を動作させることは、重大な事故につながる危険があります。

原因調査は、設備の安全手順に従って実施する必要があります。

 

制御プログラムと実際の設備状態を照合する

長期間使用されている設備では、導入後に機器の交換や部分的な改造が行われていることがあります。

その結果、制御プログラムや電気図面と実際の設備構成が一致していない場合があります。

例えば、過去の改造によってセンサーや入出力信号が変更されている場合、古い図面だけを参考にしても正確な原因調査ができないことがあります。

このような設備では、制御プログラム、電気図面、実際の機器構成を照合し、現在の設備状態を把握することが重要です。

また、制御プログラムを変更する際には、不具合のある箇所だけでなく、関連する動作や安全機能への影響も確認する必要があります。

 

再現しないトラブルの調査

工場設備のトラブルには、常に発生するものだけでなく、特定の条件で断続的に発生するものもあります。

例えば、次のような現象です。

  • 長時間運転後に設備が停止する
  • 特定の動作タイミングで異常が発生する
  • 電源を再投入すると一時的に復旧する
  • 通信異常が発生してもすぐに正常状態へ戻る
  • 同じ操作をしても正常に動作する場合としない場合がある

こうした不具合では、異常発生時の信号状態や警報履歴、機器の診断情報が重要になります。

PLCの診断バッファやHMIのアラーム履歴、必要に応じた信号のトレースなどを利用することで、原因調査に役立つ情報を取得できる場合があります。

一時的に設備が復旧しても、原因が解消されたとは限りません。

異常が発生した条件を記録し、再発時に比較できるようにすることが重要です。

 

故障原因の調査で重要なこと

工場設備の故障原因を調査する際には、発生した現象と、その原因として考えられる要素を分けて整理することが重要です。

PLCの入力信号、制御プログラム、出力信号、機器側の動作状態を順番に確認することで、原因となる箇所を絞り込むことができます。

また、原因を十分に確認せずに部品交換やプログラム変更を繰り返すと、問題が解決しないだけでなく、新たな不具合が発生する可能性があります。

電気・制御システム全体の動作を理解し、適切な手順で原因を切り分けることが、効率的なトラブル対応につながります。

 

株式会社メスコム

株式会社メスコム

設備ごとの制御要件に合わせた設計を行い、PLCを活用して安定した動作環境を構築しています。構想段階から実装・運用まで一貫対応し、既存設備との連携や更新にも柔軟に対応可能なサービスです。

〒532-0011
大阪府大阪市淀川区西中島3-18-21 NLC新大阪18号館6-H

06-7777-3230

※営業電話はお控えください

当店でご利用いただける電子決済のご案内

下記よりお選びいただけます。